不動産関連

公務員が不動産投資するとバレて副業規定違反になるの?

公務員で不動産投資に興味があるけれど、万一バレたらどうなるかわからなくて不安などといったことがあるでしょう。

この記事では公務員が不動産投資したら規則違反になるのかを説明しています。

公務員が不動産投資をしていることがバレたら

公務員が不動産投資をしていることがバレたら結論、規則違反の違反になります。

バレない方法などという甘い誘惑には惑わされずにしっかり規則違反の内容を理解しましょう。

懲戒処分

憲法第15条第2項に「すべて公務員は、全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない」という規定があります。公務員は基本的には副業してはいけないのです。

また「自ら営利企業を営むこと」が禁止されています。

ただし人事院規則に定まられた「一定の規模」を超えなければ、公務員でも不動産投資が副業として認められる場合もあります。

人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用によると、いくつかの条件があります。一定規模以下の場合では不動産投資は副業に該当しません。

法人の代表者にはなれない

不動産投資で資産管理会社を設立しても役員の代表や顧問にもなれません。

国家公務員、地方法務員とも法律で定められています。

国家公務員法の第103条によって下記のように決められています。

(私企業からの隔離)
第百三条 職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。

引用:国家公務員法 第103条)

地方公務員法では第38条には下記のように決められています。

(営利企業への従事等の制限)
第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。
2 人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。

引用:地方公務員法 第38条)

不動産投資が副業にならない事業規模とは

すべての条件をクリアしていた場合には副業にはならないので不動産投資をするならばしっかりと確認しておきましょう。事業規模にならないケースを解説します。

人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について
(昭和31年8月23日職職―599)
(人事院事務総長発)
 
最終改正:令和2年12月15日職審―333
 
第1項関係
 1 「営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体」とは、商業、工業、金融業等利潤を得てこれを構成員に配分することを主目的とする企業体をいう。会社法(平成17年法律第86号)上の会社のほか、法律によって設立される法人等で、主として営利活動を営むものがこれに該当する。
 2 「役員」とは、取締役、執行役、会計参与、監査役、業務を執行する社員、理事、監事、支配人、発起人及び清算人をいう。
 3 「自ら営利企業を営むこと」(以下「自営」という。)とは、職員が自己の名義で商業、工業、金融業等を経営する場合をいう。なお、名義が他人であつても本人が営利企業を営むものと客観的に判断される場合もこれに該当する。
 4 前項の場合における次の各号に掲げる事業の経営が当該各号に定める場合に該当するときは、当該事業の経営を自営に当たるものとして取り扱うものとする。
一 農業、牧畜、酪農、果樹栽培、養鶏等 大規模に経営され客観的に営利を主目的とすると判断される場合
二 不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合
 (1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
  イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
  ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。
  ハ 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。
  ニ 賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものであること。
  ホ 賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものであること。
 (2)駐車場の賃貸が次のいずれかに該当する場合
  イ 建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場であること。
  ロ 駐車台数が10台以上であること。
 (3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合
 (4)(1)又は(2)に掲げる不動産等の賃貸と同様の事情にあると認められる場合
三 太陽光電気(太陽光発電設備を用いて太陽光を変換して得られる電気をいう。以下同じ。)の販売 販売に係る太陽光発電設備の定格出力が10キロワット以上である場合
 5 「人事院が定める場合」は、次に掲げる場合とする。
  一 不動産又は駐車場の賃貸に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。
   (1) 職員の官職と承認に係る不動産又は駐車場の賃貸との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。
   (2) 入居者の募集、賃貸料の集金、不動産の維持管理等の不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。
   (3) その他公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと。
  二 太陽光電気の販売に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。
(1)職員の官職と承認に係る太陽光電気の販売との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。
(2)太陽光発電設備の維持管理等の太陽光電気の販売に係る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。
(3)その他公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと。
  三 不動産又は駐車場の賃貸及び太陽光電気の販売以外の事業に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。
   (1) 職員の官職と当該事業との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。
   (2) 職員以外の者を当該事業の業務の遂行のための責任者としていること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。
   (3) 当該事業が相続、遺贈等により家業を継承したものであること。
   (4) その他公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと。
 6 前項の「特別な利害関係」とは、補助金等の割当、交付等を行う場合、物件の使用、権利の設定等について許可、認可、免許等を行う場合、生産方式、規格、経理等に対する検査、監査等を行う場合、国税の査定、徴収を行う場合等監督関係若しくは権限行使の関係又は工事契約、物品購入契約等の契約関係をいう。
 7 自営の承認を受けた職員が昇任、転任、配置換、併任等により官職に異動を生じた場合(異動前後の自営の承認権者が同一である場合であつて、当該承認権者が異動後の官職と承認に係る自営との間においても特別の利害関係又はその発生のおそれがないと認めるときを除く。)又は承認に係る自営の内容に変更があつた場合には、当該官職の異動又は自営の内容の変更の後1月以内に改めて承認を受けなければならない。
第2項関係
  この規則により承認しまたは許可する権限は、任命権とは異なるものであるから、本項の規定により権限を再委任する場合には、任命権の委任と必ずしも一致させる必要はない。
第3項関係
  この項の規定による報告は、毎年1月末日までに、前年に与えた承認について、次に掲げる事項を記載して行うものとする。
 一 承認を与えた職員の氏名、所属、官職、適用俸給表及び職務の級
 二 承認を与えた年月日
 三 承認を与えた事業に係る次の事項
  (1) 不動産等賃貸の場合
   イ 賃貸する不動産等の種類、件数及び規模の内訳
   ロ 賃貸する不動産等の種類ごとの賃貸料収入の予定年額
   ハ 賃貸する不動産等の管理の方法
  (2) 太陽光電気の販売の場合
イ 販売に係る太陽光発電設備の定格出力
ロ 収入の予定年額
ハ 販売に係る管理の方法
  (3)不動産等賃貸及び太陽光電気の販売以外の事業の場合
   イ 事業の名称、内容及び所在地
   ロ 事業の業務の遂行の方法
   ハ 事業の継承の事由
   ニ 収入の予定年額
第7項関係
  自営の承認を申請する場合には、不動産又は駐車場の賃貸に係る自営にあつては別紙第1の様式による自営兼業承認申請書(不動産等賃貸関係)、太陽光電気の販売に係る自営にあつては別紙第2の様式による自営兼業承認申請書(太陽光電気の販売関係)、不動産又は駐車場の賃貸及び太陽光電気の販売以外の事業に係る自営にあつては別紙第3の様式による自営兼業承認申請書(不動産等賃貸及び太陽光電気の販売以外の事業関係)を承認権者に提出するものとする。この場合において、当該自営兼業承認申請書には、それぞれ次に掲げる資料を添付するものとする。
 一 自営兼業承認申請書(不動産等賃貸関係)の場合
  (1) 不動産登記簿の謄本、不動産の図面等賃貸する不動産等の状況を明らかにする書面
  (2) 賃貸契約書の写し等賃貸料収入額を明らかにする書面
  (3) 不動産管理会社に管理業務を委託する契約書の写し等不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務の方法を明らかにする書面
  (4) 事業主の名義が兼業しようとする職員の名義以外の名義である場合においては、当該事業主の氏名及び当該職員との続柄並びに当該職員の当該事業への関与の度合
  (5) 職員の人事記録の写し
  (6) その他参考となる資料
 二 自営兼業承認申請書(太陽光電気の販売関係)の場合
(1)太陽光発電設備の仕様書の写し等太陽光電気の販売に係る太陽光発電設備の定格出力を明らかにする書面
(2)太陽光電気の販売契約書の写し等太陽光電気の販売の内容を明らかにする書面
(3)事業者に管理業務を委託する契約書の写し等太陽光電気の販売に係る管理業務の方法を明らかにする書面
(4)事業主の名義が兼業しようとする職員の名義以外の名義である場合においては、当該事業主の氏名及び当該職員との続柄並びに当該職員の当該事業への関与の度合
(5)職員の人事記録の写し
(6)その他参考となる資料
 三 自営兼業承認申請書(不動産等賃貸及び太陽光電気の販売以外の事業関係)の場合
  (1) 職員が当該事業を継承したことを明らかにする書面
  (2) 事業報告書、組織図、事業場の見取り図等当該事業の概要を明らかにする書面
  (3) 職員以外の者を当該事業の業務の遂行のための責任者としていることなど職員の職務の遂行に影響がないことを明らかにする調書
  (4) 事業主の名義が兼業しようとする職員の名義以外の名義である場合においては、当該事業主の氏名及び当該職員との続柄並びに当該職員の当該事業への関与の度合
  (5) 職員の人事記録の写し
  (6) その他参考となる資料
 
以   上

(引用:人事院規則14-8)

5棟10部屋以上の場合

戸建てであれば5棟以上、アパートなどでは10部屋以上になると事業規模になると副業とされています。

500万円以上の場合

個人の家賃収入の基準を設けられています。

収益物件の年間家賃収入の合計が500万円以上の場合には副業になるとされています。

500万円未満の範囲であれば問題ありません。

自主管理の場合

入居者の募集、賃貸料の集金、維持管理等など自主管理をすると副業になります。

職員が業務に支障がでるという点からなので自主管理はできませんので管理会社委託しましょう。

届け出が必要

国家公務員であれば、条件に該当しなければ、自営兼業承認申請書を提出し許可を取る必要があります。

地方公務員に関しては独自の規制を設けている場合もあるので一度、確認が必要になります。

相続の場合には

親の所有していた不動産を相続する場合にも副業に該当しますので事前に確認をとっておきましょう。

ご家族がいらっしゃいましたら相続放棄することも選択して考えておきましょう。奥様などに賃貸経営してもらうこともひとつの方法です。

さまざまな対策を時間があるときにしておきましょう。

公務員は不動産投資には有利

公務員は安定している職業ということから融資審査に関しては通りやすいです。不動産投資は資金調達が難しいので公務員は資金調達がしやすいという点では不動産投資には向いています。

不動産投資で気をつけておきたい点

まずは不動産投資についてカモにされないためにも勉強することが大事です。本やセミナーなどに参加してしっかりと学びましょう。

融資面で有利なために高額な物件を勧められることもあるので要注意です。

副業禁止のサラリーマンも注意

仕事に影響がでるということで副業が禁止している会社は多いと思います。

サラリーマンなどの会社員でも気をつけましょう。会社には言わなければバレないと思って不動産投資をはじめても公務員と同様バレます。

同僚の妬みなどでバレてしまう人もいております。あとから問題になってしまっては困ります。

また不動産投資を含め20万円以上の利益がある場合には課税対象なので確定申告する必要があります。

確定申告のときに不動産収支が黒字であれば普通徴収を選べば、会社にはバレないかも知れません。

ただ私企業の場合は住民税と天引きする特別徴収をする義務があるので、普通徴収にしたときに職場のからなぜ普通徴収にしたのか理由を聞かれるでしょう。

不動産収支に赤字が発生していた場合には、普通徴収できません。

ほとんどの場合は、住民税の特別徴収で発覚してしまうケースです。

もしはじめるのであれば、会社にもしっかり許可を取ってからはじめましょう。

副収入と思ってはじめたのに、会社にバレてしまって減給などなって所得が減ってしまっては当初の目的が果たせず意味がありません。

どうしてもはじめたい場合はご自身の責任ではじめるしかありません。

営業マンなどにこうしたらバレないなどと信じて後からバレたとしても誰も助けてはくれませんので気をつけましょう。

最後に

公務員が会社を作って報酬をもらわなければ副業にならないみたいな情報がありますが、なんらかの業務に従事している点ではリスクはあるのでやめておきましょう。

家賃収入が500万円未満なら可能なのでまずはそこからはじめてみましょう。

また公務員はある程度、融資審査に関して通りやすいので税金対策になどといってあまり利益のでない収益物件を勧められる可能性があります。

どういった物件がいいのかまた不動産投資の注意点など本やセミナーなどで知識をつけましょう。