不動産の集客にはおとり広告というものがあります。
どのような場合にはおとり広告の可能性があるかなどをこの記事では解説します。
おとり広告を掲載して物件変更で契約した話
不動産の朝は遅い 朝は9時30分について10時まで店の掃除をしたりして準備する。
朝は苦手だったので唯一よかった点だったかなと
そもそも朝から物件案内は少ない。
この時間にインターネットでお部屋のお問い合わせがあったお客様に対して、追客(ついきゃく)というお客様にメールなどを送る。
正直うざいと思ってるお客様のほうが多いとは思うが、、、
大手ポータルサイトから内覧希望などのメール対応などもします。
そんなときに電話が、、、

内覧希望でしょうか?
おとり広告なんだよな、、ないって言ったら店長にキレられるしな
電話を保留にして、、、少し確認してるふりを
おとり物件だろうが、なんだろうがとりあえず店まで来てもらうようにしたのか?
おとり物件でしたが今週末の日曜日に来店される予定です。
2分後・・・
まだ内覧可能とのことです。
○○様は何時ぐらいにご来店可能でしょうか?
他にも似た条件の物件探しておきますね。
では日曜日13時お待ちしております。
もしお店の場所がわからなければお電話ください。
そりゃ条件いいから内覧したいと思うよな、、、、
おとり物件の場合、電話で違う物件を勧める業者もあるがウチではとりあえず来店してもらうようにする。
来店してもらってから違う物件に誘導していくというスタイル。
<日曜の13時にご来店>

どうぞこちらにおかけください。
それにしても今日は暑いですね。
おとり物件が見れないってなったら帰らないかな、、、不安だ、、
あと他にも似た物件が3件ほどほどありましたので、物件資料お持ちしますね。
資料を渡して3つの物件を30分程度説明して、内覧準備に
カラ電をする。少しお客様に聞こえる程度に
そもそもお客様が来る前に鍵の手配や物件の申し込み状況は確認している。
おとり物件だ!!案内できるはずもない。
ご案内予定のマンションですが昨日入居がどうも決まったみたいでして他の物件は案内可能なので今からいきましょう。
まずい、、帰られる。
よろしくお願いします。
ではさっそく案内にいきましょう。
男性の単身のお客様は女性営業マンに弱い。
ウチでは帰られそうになったら男性の単身のお客様は特に田中さんが対応する。
結局、このお客様は田中さんのおかげで別の物件で申し込みをしてもらうことになった。
はぁ、、、てるてんは完全にアシストして田中さんがシュートを決めた形で終わった悔しい。
おとり物件でお客様がきたが、他の物件を紹介して満足しているお客様も多数いるので、賃貸ではそこまで罪悪感もないのが事実です。
おとり広告とは

そもそも契約できないのにポータルサイトなどにお客様の問い合わせ目的に掲載している物件である。
なぜそのような物件があるのかひとつは単なる契約済みにするのを忘れてしまっているケースです。
もうひとつは電話数などの反響数が多かったのであえて削除してない物件です。
さらに悪質なのは、架空で問い合わせ数を増やすために掲載している物件になります。
おとり広告のケース
おとり広告にはさまざまなケースが存在しています。
どのような広告がおとり広告なのかを説明していきたいと思います。
存在しないおとり広告
実際に存在しない物件をさまざまな条件を書き加えて掲載している広告です。
非常に悪質になります。
このような実在しないおとり広告を登録する業者はまだ存在しています。
もし自分の物件の写真などがおとり広告に使われていたらイメージが悪くなってしまうのですぐに通報するようにしましょう。
販売していないおとり広告
人気なエリアなどには多いケースです。
どうしても人気エリアは問い合わせ数が多くなるので人気エリアなどのマンションなどは販売する意思がない物件を掲載して集客する業者がいてます。
なかなか見分けるのは難しいおとり広告になります。
売買であれば販売していない物件、賃貸であれば実際に借りることができない物件などです。
人気の賃貸物件は問い合わせ数が多くなるので入居者が決まっていてもわざと掲載を続けている場合もあります。
価格設定のおとり広告
価格を相場より安くすればそれは購入希望者からしたらお得に感じて問い合わせしてしまうでしょう。
ただ実際にはその価格では販売する意思がないので営業マンから物件の変更を提案されたりもしくはその物件が値上がりしてしまったことを伝えてくるでしょう。
お客様からの問い合わせがあってからさまざまな変更をしてきます。
取引内容のおとり広告
仲介物件なのに売主などとわざと間違えて掲載しているおとり広告です。
取引内容のおとり広告に関してはそこまで数は多くありませんが気をつけましょう。
当社でしかこの物件はないなどと営業マンから言われて鵜呑みにしていたら他の業者でも仲介可能な場合もあります。
賃貸などではたまに見かけることがあります。
記載内容のおとり広告
実際に間違えて入力しているケースもありますが、わざと条件をよく見せることで問い合わせしてもらおうとするおとり広告です。
賃貸ではこのおとり広告を使った集客方法が一番多いのではないでしょうか?
実際に店舗についてから営業マンから間違えてましたと言われるとそこまで悪意がないように感じます。
おとり広告は禁止されている
おとり広告は不動産公正取引協議会連合会として自主規制の対象となっています。
下記のような規定があります。
宅地建物取引業法 第32条:誇大広告等の禁止
不動産の表示に関する公正競争規約 第8章 不当表示の禁止 第2節:おとり広告(第21条)
おとり広告を使って集客をした場合には、業務停止命令・免許取り消し・罰金といった措置がとられることもあります。
大手ポータルサイトではおとり物件を掲載した業者にはペナルティもあります。
おとり広告を発見した場合の連絡先
もしおとり広告を見つけた場合の大手ポータルサイト連絡先は下記になります。
おとり広告などの見極めかた
おとり広告に代表的なパターンを紹介します。
①条件が良すぎる物件
②マンション名が書かれていない物件
あきらかに条件が良すぎる物件とマンション名が書かれていない物件は要注意です。
よくお客様が間違えるケースは、定期賃貸借契約で条件が良くなっている場合です。
おとり広告ではないですが、定期賃貸借契約だと借りれる期間が定められているために条件が良くなってます。
この点は一般の方はよく間違えて問い合わせがあるケースになります。
おとり広告の違反件数
2021年の違反物件は全国で1,123件で前年より減少しました。(前年度比554件減)。
東京都や大阪府で物件数の多い地域での違反は大きく減少しました。
不動産業界のIT化が進み管理会社が契約済を大手ポータルサイトに報告できたりとさまざまな仕組みによっておとり広告は減少していますが、ただおとり広告がなくなったわけではありません。
どうしても物件数の多い地域ではおとり広告のすべてを監視することは現時点では難しいのです。
今後もさまざまな仕組みによっておとり広告は減少していくかとは思います。
おとり広告の違反事例
不動産公正取引協議会のホームページなどで違反事例が掲載されています。
興味のあるかたはどのような違反事例があるのかを見るのも良いでしょう。
不動産業界だけではないおとり広告

最近では大手回転寿司のチェーン店でもおとり広告がありました。
来店してみると実際に広告の商品が売り切れでないという状況で多くの苦情が消費者庁にありました。
せっかく広告の商品を目的にして来店したのに売り切れていたらガッカリしてしまいます。
しかしわざわざ来たからとなにか別のものを注文してしまうので業者からすればおとり広告で来店して注文してもらえると利益になります。
さらにその大手回転寿司チェーン店は生ビールが半額で広告し品切れが続出したことなどで再度問題になっています。
どの業界でもおとり広告はあるのであまりにも安い場合や条件がいい場合には注意が必要になります。
おとり広告に見極めるために
おとり広告を見極めるためには、まずは何社の不動産会社に問い合わせして情報収集しましょう。
条件面を変更してあるおとり広告であれば、何社か問い合わせすると正しい募集条件がわかります。
何社か問い合わせすることで優良な業者を見つけることも可能です。
次に内見を現地案内可能か住所など聞いてみましょう。
おとり広告であれば現地案内できませんので来店を促してきたら要注意です。
住まい探しをする場合にはSUUMOもしくはHome’sのどちらかで探す人が多いでしょう。
不動産業者がSUUMOに掲載するには物件数によって金額がかわる契約なのでおとり広告の数は比較的少ない傾向ではあります。
反響課金のHome’sは反響数によって広告掲載費が変動するので多い傾向にはあります。
SUUMOは契約することができない物件に対して費用が発生しますが、Home’sの場合であれば反響があった場合に広告費を支払えばいいので掲載されがちです。
最後に
あまりにも条件がいい広告には注意しましょう。
どの業界も集客のために過激な表現や誇大広告をすることが多いです。
実際の口コミサイトが流行した背景にはこのような広告ではなく実際の口コミを信用するような傾向になってきています。
基本的には相場があって事故物件などなにか特別な理由がない場合には極端に条件の良い物件はなかなかありません。
条件が良い場合には、なにかがあるのではと思って慎重になりましょう。
不動産業界だけではなく他の業界でもあまりにも条件の良い広告には気をつけましょう。
詳細に物件内容が書かれていない広告はとくに気をつけましょう。
詳細に書かれていないからこそ聞きたくて問い合わせしてみるとおとり広告だったことはよくあるケースです。