収益物件の管理には、自分で管理する『自主管理』と『管理会社に任せる管理委託』とがあります。
収益物件を自分で管理しようと思ってもなにをしていいのか、わからないしもし入居者からクレームがきたら怖いなどがあるでしょう。
収益物件を自主管理するにはどういったことをすればいいのかと管理委託にしたほうがいいのかをこの記事では解説します。
収益物件購入後の管理

物件購入後は自分ですべて行う自主管理、管理会社にすべて任せてしまう管理委託と一部だけ管理会社に任せて、あとは自分で管理するの3つがあります。
はじめての収益物件購入の時は、一部は管理会社に任せて、あとは自主管理がいいと思います。
物件規模によりますが部屋数が10戸以上の一棟みたいなおおきな物件であればいきなり自主管理は対応に遅れてしまい入居者からのクレームが発生する可能性が高いです。
おおきな物件であれば2~3ヶ月の期間は管理会社からしっかりと管理引継ぎをしてもらうほうがいいです。
まず自主管理するか管理委託するかの判断の為に、自分自身の時給単価も決めておきましょう。
自分自身は仕事をするならば、時給2,500円は必要だと決めたとします。
管理委託にかかる金額が毎月50,000円だったとしたら、
50,000円(管理会社に支払う費用)÷2,500円(時給)=20時間
時給2,500円と決めた人が、自主管理で20時間以上かかるのであればそれは管理委託をして自分が稼げることをしたほうがいいです。
お金を取るか、時間を取るかはその人によって違うので自分自身の時給を決めて任せるところは管理会社に任せましょう。
メリットがあると感じる部分だけ自主管理をすることが一番良いです。
不動産投資はメリットのあると感じるところだけに、(労力)時間と、お金をかける。
これは非常に大事な考え方です。
管理費用がもったいないと思い、管理業務を全て自分でしていたら時間がなくなってしまいます。
時間がなくなってしまい大家業をやっていくのは大変だからやめようかなと思ってしまっては大きな損失です。
不動産投資は、短期間では利益がでにくいのです。
収益不動産は中長期保有することではじめて利益がでてきます。
管理は不動産投資の上で非常に重要なポイントです。
しっかり管理できないと利回りが下がってしまい最終的には売却するときにも値段が下がってしまいます。
修繕などのコストをあまりかけないでいると空室が増えてしまったりします。
途中で不動産投資を挫折してしまっては、かえって大きな損失になってしまいます。
管理会社の選び方

管理会社は賃貸経営する上で大事なパートナーです。
まずは収益物件のエリアに詳しくてさまざまな提案ができる経験豊富な管理会社を探しましょう。
また不動産会社とも仲良く入居者募集も計画性があり満室にできるような会社が良いです。
またトラブル対応に関してもノウハウがさまざまなリスクを予測して対策できるような会社を探しましょう。
価格に関してはあまり安くてもしっかり管理できないと意味がないので価格は安すぎるのも注意しましょう。
空室をすぐに募集でき建物をしっかりと管理できることが基本なので値段ばかりにとらわれないようにしましょう。
収益物件を2つ以上所有したら物件ごとに管理会社は選んだほうがいいでしょう。
不動産の管理業務とは

管理にはPM(プロパティマネジメント)とBM(ビルマネジメント)があります。
他にもAM(アセットマネジメント)などもあります。
PM(プロパティマネジメント)の仕事
入居者募集などの入居者などに関する管理業務になります。
具体的には、入居者募集、契約締結業務、クレーム対応、賃料の集金、滞納督促、工事発注・管理、オーナーへの報告業務などです。
一般的に依頼するとPMフィーは、賃料の3%~8%ぐらいです。
適切な価格の管理会社を探しましょう。
1棟の収益物件の場合は部屋数が多ければ多いほどPMフィーのパーセントは下げてもらいやすいです。
手間の面で考えると管理会社にとって効率が良いからです。
1棟アパート4室と戸建をバラバラに4戸では効率に違いがあります。
どちらかといえばアパートなどの1棟のほうがPMフィーのパーセントは低い傾向です。
BM(ビルマネジメント)
物件自体の管理業務になります。
具体的には日常清掃、設備の管理・点検、警備業務、防災消防管理、保守管理、巡回見回り、植栽管理などです。
BMフィーは家賃の10%程度ぐらいが必要になります。
年間の家賃収入が年間100万円ならば、年間の維持管理に10万ぐらいはかかると思っておいたほうがいいでしょう。
区分マンションであれば管理費にあたる部分になります。維持管理のための費用も考えて収益不動産を探しましょう。
※退去時にかかる修繕費は別になります。
管理業務の詳細
管理業務はさまざまな業務があります。
具体的にどのような業務があるのかを書いていますので自分自身でやったほうがいいと思う部分は自主管理でもいいでしょう。
入居者募集
空いてる部屋に入居者を募集することです。
不動産業者に依頼すると入居者募集のための広告費として家賃の1ヶ月分~3ヶ月分ぐらいが必要になります。
キャッシュフローがあまりない時や、購入したばかりで家賃収入が貯蓄できていない場合には結構な負担にはなります。
もしインターネットが得意であれば積極的に活用しましょう。
今はインターネットで直接入居募集してる大家さんもいてます。
契約締結業務
入居者との賃貸借契約です。
不動産業者に入居募集を依頼すると下記の内容はすべてしてもらえます。
賃貸借契約書作成と重要事項説明書作成
入居者の火災保険加入手続き
家賃の保証会社の手続き
はじめて不動産投資をするのであれば法律的な知識も必要なので、入居者を見つけることができたとしても契約書などの作成は専門知識のある不動産業者に依頼したほうがいいです。
物件についてさまざまな内容を説明している重要事項説明書は、自身で借主と契約する場合には不要です。
あくまで業者が仲介する場合において宅建業法で定められた必要な書類になります。
入居者の電話対応またクレーム対応
入居者からの電話対応やクレーム対応です。
電話の問い合わせなどは下記のような内容です。
給湯器が壊れてお湯がでない
エアコンの調子が悪い
隣や上の階の入居者がうるさい
鍵をなくしてしまった
トイレや台所が水の流れが悪い
家賃を少し待ってほしい
さまざまな問い合わせがあるのでこのような問い合わせを減らすには、しっかりとした新しい入居者に向けて『入居者へのしおり』を作成しましょう。

今は入居者の問い合わせ対応にアプリを導入している業者もいてます。
アプリであれば常に最新の情報を更新することが可能です。
賃料の回収・滞納督促
家賃の回収に関しては現在はほとんどが振込だとは思います。
入居者の家賃滞納に関しての保証会社への連絡する業務などもあります。
保証会社とは、入居者が家賃を滞納した場合にかわりに支払ってくれる会社です。
滞納が続くと入居者の追い出しもに関してもすべてやってくれます。
賃料の回収と滞納督促に関してはそこまで負担になるような内容ではないです。
滞納が知ったときに書類を記入して保証会社にFax送信するだけです。
Faxの場合には、しっかり送れているかを確認しましょう。
万一送信できてなかった場合には、保証してくれるのが翌月になってしまったり遅れすぎると保証もしてくれないので注意してください。
工事発注
退去後のリフォーム業者への発注や、設備が故障した場合の業者への発注
こちらについても工事業者などの知り合いがいなくてもインターネットなどで探せば色々と見つかると思います。
工事業者は、自主管理するのであれば、いいところを見つけておくことが大事です。
日常清掃

共有スペースの清掃業務 廊下、階段、ごみ捨て場など
ほったらかしにしておくと汚くなってしまい入居者からのクレームにもなります。
共有スペースがきたないと入居者募集のときにも影響があるので定期的に清掃はしておきましょう。
設備の管理・点検・保守管理
エレベーター、貯水槽などの設備の点検・管理です。
マンション全体の点検などです。区分マンションであれば特に必要ありません。
警備業務・巡回
大きなマンションであれば、警備や巡回管理もしているところもあります。
巡回に関しては、物件購入後は最低月1回ぐらいは、見にいっておいたほうがいいでしょう。
自分の目で物件の状況をたしかめておくこと大事です。
購入する前は物件をよく見ていたが、購入後に見に行かない人は多いです。
区分マンションであれば、見に行く必要はそこまでありません。
防火消防管理
消防設備点検、消火器や火災報知など消防法に決められた内容を点検する必要があります。
消火器などは消防法によって定期的に交換が必要になります。
植栽管理
植栽がある場合は、剪定してキレイに保つ必要があります。
駐車場には、植栽があるケースが多いので植栽が伸びていて車に傷が入ったりしたらクレームになるので注意しましょう。
自分で管理してもいいと思える業務

自主管理してもいいかなと思える部分を書いてますので参考にしてください。
自主管理での入居者募集
まずは入居者募集、こちらはインターネットを利用すればさまざまな入居者募集サイトがあるので自分でもある程度できると思います。
もしあなたが女性であれば、空き部屋の案内はたまに変な人もいて危険なので管理会社に依頼したほうがいいと思います。
募集だけして部屋の案内は管理会社に任せましょう。
募集は仲介業者に任せてもいいですが、自分でも募集できる人は積極的にしましょう。
案内に関してだけは管理会社にしてもらったほうがいいです。
自主管理での契約関連業務
賃貸契約書に関しては、一旦フォーマットさえ作ってしまえばあとはそれをベースに使っていけばいいです。
法改正もありますがフォーマットさえあれば法改正の時に修正するだけでいけます。
あとは火災保険と保証会社の手続きです。
火災保険の手続きは募集人の資格は必要ですが、募集人の試験は比較的簡単です。
入居者の火災保険の代理店手数料は15%~20%ぐらいが多いのです。
保証会社に関しても同じく手数料はそれぐらいだと思います。
なのでここでも不動産業者もしくは管理会社が稼いでいます。
入居者募集から契約までできると金銭的な負担はかなり減ります。
家賃が5万円の物件だとしたら仲介依頼するのであれば10万~20万ぐらい必要になります。
不動産投資をはじめたころはキャッシュフローがあまり良くないのでもし契約に関しても自分でできるならしていったほうがいいです。
賃貸借契約書を作成してほしい場合はメールを頂けたら無料で作成しますので問い合わせから連絡ください。
※急ぎでの契約書が必要な場合にはご遠慮ください。
あとはハウスクリーニング代や鍵交換、引っ越し業者の指定、ネット回線、電気契約、
すべて上乗せ請求か紹介手数料を一部の不動産業者は稼いでます。
業界的に紹介料で稼ぐ商慣習なのでさまざまな内容で稼ぎます。
管理会社や不動産屋の収益部分もないと管理してもらえない場合もあるので相談しながら決めましょう。
賃料回収と督促業務
あと賃料の回収と督促業務は自分でしたほうがいいですね。
管理会社に委託している場合の家賃回収は入居者が管理会社にいったん家賃を振り込んでから物件オーナーにまとめて家賃が振り込まれるパターンが多いかと思います。
この場合、万一管理会社が倒産したら連鎖的にこちらにも家賃の入金がなくなります。
もし管理会社に委託するとしても管理会社の口座ではなくご自身の口座に家賃は入金してもらいましょう。
銀行と連動しているクラウドの会計ソフトであれば、管理会社にはクラウドの会計ソフトで家賃の入金チェックしてもらったほうがいいです。

督促業務に関しては、家賃の支払い期限が過ぎたら保証会社に連絡するだけです。
家賃滞納時に入居者に連絡すると家賃を待ってほしいなど直接交渉されるので、入居者と直接連絡することはできるだけやめておきましょう。
自主管理での部屋の修繕

あとは部屋のリフォームなどの発注は自分でしたほうがいいですね。
一括見積りなどで一度は工事費用の相場は把握しておいたほうがいいです。
DIYができる人であればご自身で修繕できれば費用面での負担は減ります。
退去立ち合いは管理会社に任せてリフォーム工事などの発注は自分でしたほうがいいですね。
管理会社に工事発注を任せると余分な工事や工事業者からの見積もりに上乗せして請求してくることもあります。
全国対応、見積もり無料で内装業者を探しておきましょう。
実際は、20万円の工事が、管理会社から22万円の請求だったり、2万円ぐらいならまだいいのですが、規模の大きな工事になれば何10万円も変わってくる場合もあります。
最後に

入居者募集から契約、家賃の入金・督促あとは工事の発注はできれば自分でしょうましょう。
少し難しいと感じる部分は契約行為ですが、わからない間は不動産仲介会社に任せて勉強しましょう。
難しいように感じますが借りたい人に賃貸の条件を書類にしているだけです。
今では電子契約も可能なのでメールでの賃貸借契約も可能になってます。
