「あて物」候補にならないように気をつけましょう
今月に入ってからとても暇だ・・
今年の夏は、猛暑だこんなときにさすがに引っ越しする気にはなれないか
僕のような豚体型にはとっては、辛いシーズンである。
外出したくないので物件資料でも作成しようかなとパソコンの前にいることが多い
「あて物」や「なか物」になるの物件もチェックしておかないとな
そんな時に電話が・・

最近はあまり内覧がなかった為に、パソコンで物件資料の作成ばかりしていた。
このマンションは先週、物件資料を作成したばかりでよく覚えている。
この物件は「きめ物」になる物件だ。立地や広さ、設備も新しくて文句なしの人気のあるマンションだ。最近退去したばかりで他の不動産会社との取り合いになる物件だ。今回は、決まったと内心思った。
学生さんのカップルか、なるほどだからこんな暑いときにでも引っ越しするんだ。
<電話を切り、ふたり入居可能な物件探す>
女性の案内なら私に任せてみたいな、あぶない田中さんに売上をもっていかれるところだった。きっと田中さん今月は売上厳しいんだな。
<物件資料から案内候補物件を探す>
問い合わせがあった物件は、家賃は8万、1LDK、築浅、駅から徒歩15分、ふたり入居可
似たような条件で検索してみると「あて物」候補が見つかった。家賃10万、1LDK 、新築、駅徒歩5分、ふたり入居可。
立地もよく新築である。さすがに家賃が高いからあきらめるだろう。これを「あて物」にしよう
田中さんが探してれた家賃7万、2LDK、築古、家賃7万、駅徒歩10分 ふたり入居可の物件。これを「なか物 」にしよう。
あと問い合わせのあった物件の家賃8万、築浅、駅徒歩15分 これが「きめ物」だな。
田中さんが探してくれたメチャクチャいい物件は、問い合わせのあった物件よりかは、はるかに良い物件ではあるが、余計に迷わせてしまうから今回は紹介はしないでおこう。
今回の案内は、「あて物」⇒「きめ物」⇒「なか物」でいこう。2件目のきめ物で決まれば、暑いときにわざわざ3件目を見なくてもいいな。
不動産屋が扱う物件で、インターネットには掲載されてない物件もあります。
3件とも鍵は現地キーボックスだ。暗証番号をメモする。
よし準備万端だ。
<来店当日>
彼女と一緒に来ている。しっかりした雰囲気の彼女だ。
<車に乗り1件目の案内に向かう>
車内では、現在は大学生で来年卒業。卒業後はふたりとも就職するみたいだ。知り合ったきっかけは、高校時代の同級生でその当時から付き合っているそうだ。高校では陸上部でふたりとも、とてもスマートだ。余分な脂肪をプレゼントしてあげたいぐらいだ。
<1件目の案内>
<2件目の案内へ向かう>
ふたりの会話を聞いてるとどうやらやはり部屋を決める決定権は彼女みたいだ。だいたい不動産は女性が決める主導権を握っていることが多い。
もともと2件目が問い合わせのあった物件だ。これで決まってくれたらな。
夏の案内はとても辛い、部屋にクーラーはあってもつけることはできないし、その上にスーツにネクタイ、汗が止まらない。そもそもこんな時代にスーツにネクタイって銀行マンか不動産屋ぐらいじゃないのか、、社畜である以上会社の方針には逆らえないが。
<2件目の案内>
よかったこれはきめ物で決まりそうだな。2件目に案内した戦略勝ちだ。
えっ、もう1件見るんだ、、彼氏さんよどうか彼女に 「ここにしようと言ってくれ」この物件はあなた達が見たいと言ってたマンションだよ。
そんな心の叫びは届くわけもないか、、
<3件目に向かう>
あまりにも暑く、スーツの上着をカップルのふたりに断わり脱いだ。
よし最後の物件案内だ頑張ろう!
次の物件は、2LDKか、、大きいな
ん?5階建ての501、、、エレベーターが物件資料に書かれていない、、、
げっ、、もしかしてエレベーターがない。田中さんの仕業か、、ちゃんと見てない自分が悪いのだが、
エレベーターの設置は、階数では無く建物の高さで決められている。31メートルを超える建物には設置が義務付けられています。だいたい6階建て以上のマンションには設置義務があることになる。5階建てならエレベーターない建物もある。
<3件目の案内で5階まで階段をのぼる>
さすがにこの暑さで、豚には5階の階段はキツイ。しゃべる言葉も短めになるな。
げっ、、メジャー上着の内ポケットの中だ、、新人みたいなミスだ。完全に暑さで注意力がなくなってる。
<階段で降り車に向かいメジャーを取りにいき、また5階上ってきた。>

色々と彼女は家具の配置を考えるためにメジャーで図っていた。私はもう階段を2往復したせいか10階分の階段をのぼっている。完全に汗が止まらなくなっていた。
無事契約が決まった。「きめ物」では決まらなかったが、田中さんの探してくれた「なか物」で決まった。とりあえず契約できてよかったが、今日はワイシャツが雑巾みたいに絞れるぐらいの汗が、、少し痩せれたかもしれない。
<お店に帰ると>
やはり田中さんの仕業であったが、田中さんの物件で決まったから感謝しないと
あて物、なか物、ひき物 3つ案内する理由
人は後悔したくないためにも比較してしまうのである。
なにかを選ぶときには、どうしても真ん中を選ぶ傾向にあるとも言われている。そして選択肢が多すぎては逆に選べなくなってしまうのである。なので3件ぐらいがちょうど良いのである。
なのでまずはあて物(選択肢にはならなそうな物件)を先に見せることによって、実際に決めたい物件に誘導することができる。
最初に値段が安ければこんな部屋しかないかと思わせることが重要なのです。これでもっと安い物件はないですかという気持ちを無くしてしまうのです。
安ければそれなりの部屋しかないとしっかり認識してもらうことで迷いを無くしてもらうのです。
最後に
物件オーナーはこのあて物にならないように気をつけなければいけない。
家賃と条件があってない場合にはあて物になる可能性が高い。常に相場は見ておく必要があります。また広告料が少ない物件はあて物になる可能性も高いです。
どうしても営業マンは1人のお客様で報酬単価の高い物件を優先的に案内したいものです。なので広告料が少ない場合にはなにかと理由をつけて広告料の高い物件へ誘導したりします。
不動産業者に入居者募集するのであれば、家賃設定だけではなく不動産業者が案内したくなるようなことも考えておく必要があります。